性暴力の被害者とその理解者からのメッセージを綴ったキルトが、来週、ノースカロライナ州アーデンから全米ツアーに出発する。
被害者たちの生々しい言葉が綴られたキルト
このツアーはアメリカの活動家グループFORCEが主催して行う。FORCEは2013年から、「モニュメントキルト」と呼ばれるプロジェクトのための資金集めを始めた。このプロジェクトは、性暴力被害者が体験を共有し、被害者を癒す空間を作ることを目指している。体験を語るためのプラットフォームとなるだけでなく、さらに、アメリカ人のレイプに対する考え方を変え、被害者が公的に辱めを受けるのではなく、サポートを受けられるような文化を作ろうとしている。
キルトには、「それは私の落ち度ではない」「口を覆われた時の冷たく湿った手の感触を今でも鮮明に覚えている」「どれだけの量の水もそれを洗い流すことはできない」といった、被害者たちの生々しい言葉が綴られている。
2016年までに6,000枚集め、ナショナルモールに展示予定
FORCEの共同ディレクター、レベッカ・ネーグルさんいわく、「性暴力の被害者になった場合、多くの人が自分はコミュニティから切り離されたと感じる」という。このプロジェクトは被害者たちが孤立を感じたり、辱めを受けたりしないように支えることが目標だ。
キルトで有名なボルチモアでのワークショップや全米の協力団体により、すでに200枚のキルトが集まっている。2016年までに6,000枚集め、「ひとりじゃない」と綴ったキルトを、ワシントンD.C.の国立公園ナショナルモールに1週間展示する予定だという。
(リプトン和子)